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最先端のサイドチェーン(The Cutting Edge of Sidechains):Liquid およびRSK

本投稿では、RSK のチーフ・サイエンティストのSergio Lerner とともに最先端のサイドチェーンおよびLiquid とRSK の分析を行います。

文:Sergio Lerner 

2016年、Blockstream はBitcoin 拡張の考えられるパスとして、ペグサイドチェーンを提案しました。初めての独創的なサイドチェーンのコンセプトはクロスチェーンのSPV プルーフ(参照:p2ptradex)およびアルトチェーンを用いたアトミック・スワップの組み合わせでした。 「サイドチェーン」は正式な表現ではなく、外国の仮想通貨アセット(別のブロックチェーン生来のアセット)による支払を可能とするトラスト最小化ブロックチェーンとよく称されます。Bitcoin サイドチェーンは、そのインセンティブ・システムに及ぼされる干渉が最小限で、Bitcoin を向上させることができます。サイドチェーンによって実現可能な最も興味深い恩恵というのはユーザーのアセット発行、DeFi ソリューションを可能とするステートフルのスマート・コントラクト、コミットチェーンのスケーリング、よりスピーディな決済ファイナリティ、より高度なプライバシーです。2つのサイドチェーンのプロジェクトが傑出しています:Liquid およびRSK。 ともにBitcoin サイドチェーンで、実装以来、非常にアクティブなパフォーマンスを発揮してきました。

Federated ペグ化サイドチェーン

federated ペグ化サイドチェーンは複数の署名のアドレスでロックされるメインチェーンのトークンによって担保保証されているネイティブのトークンを発行します。このマルチシグのプライベート・キーは人員グループによって創造および管理されています。メインチェーンとサイドチェーンのトークンのロックと解除に用いられるメカニズムは、一般に、双方向ペグと呼ばれています。federated サイドチェーンの種類は豊富にあり、それぞれの微妙な違いを把握することが大切です。

最初に、Blockstream とRSK Labs によってそれぞれ説明されているように、Liquid およびRSK サイドチェーンを感嘆に紹介します。

Liquid

Liquid は世界中の仮想通貨取引所や機関をつなぐ取引所間決済ネットワークで、よりスピーディなBitcoin トランザクションとデジタル・アセット発行を可能にします。Liquid ネットワークは取引所、ブローカー、マーケット・メイカーのためのブロックチェーンであり、ネットワークの他のメンバーとの迅速でプライベートのBitcoin トランザクションを可能にします。Liquid のIssued Assets 機能を通じ、メンバーは不換通貨、証券、あるいはその他の仮想通貨でさえトークン化することができます。Liquid ペグおよびコンセンサスは人々から成るFederation によって管理されています。Liquid サイドチェーンのネイティブのトークンはLBTC です。

 

ブロック・エクスプローラ:https://blockstream.info/liquid/

ネットワークの統計:https://liquid.horse/

ドキュメンテーション:https://blockstream.com/whitepapers/

 

RSK

RSK はBitcoin マイナーによって安全が保証されているステートフルのスマート・コントラクトで、現時点では、最も安全性の高いプルーフ・オブ・ワーク(proof-of-work)ベースのスマート・コントラクト・ネットワークです。そして、人々に権限を付与して自由や生活の質を向上することのできる分散型アプリケーションを実現します。サイドチェーンとして、Bitcoin 通貨の使用を拡張することでBitcoin のエコシステムに価値を付加します。分散型アプリケーションはSolidity コンパイラやWeb3 標準ライブラリを使って記述可能で、Ethereum の互換性を実現します。さらに、RIF Lumino 決済チャンネル・ネットワークによって提供される付加的なオンチェーンの空間とオフチェーンのトランザクションにてBitcoin 決済の拡張を可能にします。RSK 双方向ペグはRSK Federation によって保証されていて、ブロックのコンセンサスはマージ・マイニングによって保護されています。RSK サイドチェーンのネイティブのトークンはRBTC です。

 

ブロック・エクスプローラ:https://explorer.rsk.co/

ネットワークの統計:https://stats.rsk.co/

Testnet Faucet:https://faucet.testnet.rsk.co/

ドキュメンテーション:https://github.com/rsksmart/rskj/wiki

 

比較チャート

双方のプロジェクトはサイドチェーンの空間における主導的存在です。しかし、重要な違いがあります。以下のダイアグラムでは、RSK とLiquid を比較します。RSK は、2015年から私が連携しているサイドチェーンで、2018年1月に実装となりました。Liquid はBlockstream によって創造されているサイドチェーンで、2018年9月に起動しました。Liquid のHSM の内部作業についての多くの詳細は未発表であることから、現状分かっていることからできるだけ正確な比較を試みたいと思います。

 

Feature

Liquid

RSK

Creator

Blockstream

RSK Labs

Source Code License

MIT, Defensive Patent License

LGPL

Block Generation

Consensus Protocol

BFT variant

Bitcoin Merge-mining

Settlement finality

2 blocks, irreversible settlement

Probabilistic settlement

Consensus group

closed

open

Block producers

15 multisig members  + 14 additional producers, round-robin

Bitcoin merge-miners (currently 41.3%)

Federated Two-Way Peg

Type

Federated 11 of 15 multisig, with a time-locked 2 of 3 multisig for an emergency recovery process.

Federated 8 of 15 multisig.

Hardware Security

Custom HSM (software and hardware)

Custom firmware for off-the-shelf HSM

Federation Openness

Federation

Addition/Removal of members by supermajority voting on-chain

Federation Members Change Transparency

Undisclosed

Published in the sidechain

Transparent Peg/Confidential

Confidential (between Crypto Exchange and user)

Transparent

All-or-Nothing censorship resistance

No. Could be achieved by a future planned atomic swap system.

Yes

Cold Storage

Yes, but requires periodic refresh of cold coins

No. Split hot/cold wallet possible in future releases.

Functionary-to-functionary communication

Over Tor

None. Communication flows from a smart-contract to each functionary, over the public sidechain

Main Platform Features

Issued Assets

Native

User-level contracts such as ERC-20

Light-client-friendly Issued Assets

Yes, but requires special server nodes

Yes

Confidentiality

Native by Confidential Transactions

User-level contracts such as Zether, Mobius and AZTEC.

RSKIP in the roadmap describing account abstraction to reduce source account leakage.

Smart-Contracts

Stateless

Stateful

Average Fee per Simple Tx (1 input / 1 output)

10 cents (*)

0.66 cents (**)

Average Block interval

1 minute

30 seconds(*3)

Simple Transactions/Second based on current block limits

40

10

主要な差異をより詳細に説明します。

Federated ペグ

Liquid およびRSK は双方ともサイドチェーンのネイティブ通貨形式でリリースされるBitcoin を解除するのにfederated マルチ署名に依存しますが、これらのペグの設計は大きく異なります。各サイドチェーンの設計はそれぞれのトレードオフを表します。

両方のサイドチェーンは、現状、15人のアクティブな人員を抱えていて、Liquid はBTC のリリースに11人の署名、RSK は8人の署名を必要とします。Liquid は利用可能性以上にセキュリティを重視し、RSK はセキュリティ以上に利用可能性を重要視しているようです。しかし、Liquid は3つのマルチ署名のうちの次元錠型2つを用いて緊急時のリリース手順を実施していて、セキュリティ以上に利用可能性を向上し、相反するトレードオフとなっています。Liquid の緊急時システムは新たな攻撃ベクトルを導入していて、そこでは、Bitcoin マイナーの大半がBTC リリース・トランザクションを感知して緊急時のマルチ署名の有効化を強要します。各バリアントには長所と短所があり、RSK にとってはLiquid が除去するような緊急時システムを導入するのが容易となります。そうしたクリティカルなセキュリティ・システムにおいては、簡潔さが重要な鍵になると確信します。

両方のサイドチェーンはHardware Security Modules(HSMs)を最大に活用してプライベート・キーを保管します。Blockstream もRSK Labs もこうしたデバイスがどのように設計されているか、あるいはどういったコードが実行されているかについて詳細情報を公開していません。RSK federation 人員はHSM のファームウェアとハードウェアを監査することができますが、このことはLiquid の場合も同様です。

Liquid は独自のハードウェア・プラットフォームとファームウェアを築いており、セキュリティ上の利点と言えます。しかし、Blockstream のデバイスがプライベート・キーの保護にあたってSecure Element に依存しているのかどうかは分かりません。Secure Elements はサイド・チャンネルやフォールト挿入攻撃から秘密を守るために特別に考案されていて、標準のマイクロコントローラは、一般として、この点で不十分です。RSK Labs はSecure Elements および自らが開発したカスタムのファームウェアを備えた既成のデバイスを展開してきました。

ペグイン

BTC をロックし、サイドチェーンのトークンを解除するプロトコルはLiquid とRSK では異なります。Liquid では、ユーザーは最初に選択した無作為のワンタイムパスワードを使って既知のfederation アドレスから抽出することで新規の一時的なfederation アドレスを作成し、続いて、BTC が新規の一時的なアドレスに送られます。相当数の確認を経て、ユーザーまたはfederation 人員はワンタイムパスワードについてfederation の他のメンバーに周知するLiquid トランザクションを送ります。その後、LBTC は一時的なアドレスに先にロックされたBTC と同じ数量が発行されます。

 

 

BTC のLBTC への移転(Liquid)

BTC をRSK に移転するプロセスは以下の通りです。最初に、送信者は移転するbitcoins がP2PKH アドレスに保有されているのを確認する必要があります。そうでない場合、トランザクションTx1 でP2PKH アドレスに移送される必要があります。続いて、P2PKH アドレスからFederation マルチシグ・アドレスへ、トランザクションTx2 にて移転されます。相当数の確認を経て、federation はTx2 用のSPV プルーフを包含するRSK にて通知トランザクションを発行し、blockchain が瞬時に同等数量のRBTC をTx2 の最初のインプットと同じプライベート・キーによって制御されているアドレスに解除します。このことは、Bitcoin のパブリック・キーをRSK アドレスに変換することで実行されます。Federation が通知トランザクションを発行しない場合、ユーザーは誰でも、SPV プルーフを包含することで発行することができ、プロセスは同じで、結果、ペグイン・プロセスは完全にトラストレスです。

 

BTC のRBTC への移転(RSK)

ユーザーは、仮想取引所に登録せずに、BTC をRBTC に変換することができます。Liquid では、ユーザーであれば誰でもペグインできますが、推奨されるプロセスは、Federation 参加者取引所の1つに登録してKYC 認証手順にパスすることです。というのは、Liquid Federation がユーザーのペグイン・トランザクションを無視する可能性があるからです。

記述の際でも、RSK Labs はペグにロックされたbitcoin 数量を制限するのに利用可能なプライベート・キーを保持したままです。RSK Labs は、これが一時的なセキュリティ措置であると明言していて、マージ・マイニングの関与がBitcoin のハッシュレートの51% を超えると、この権限が放棄されます。ソース・コードは、RSK Labs が特殊メッセージをペグを制御するスマート・コントラクトに送信することでこの制限を引き上げることができると示唆しています。

ペグインからペグアウトへ

双方向ペグは、ユーザーがペグインとペグアウトのトランザクションを検出および精査可能な場合にトランスペアレントであることから、ユーザーはfederation によるマルチシグの保有高を監査できます。ペグがトランスペアレントであれば、ユーザーは誰しも、サイドチェーンの循環供給がマルチシグにロックされている資金と合致するのを確認することができます。さらに、ユーザーはfederation が不正を行ったり、ペグからの/ への移転をブロックしたりしているのを検出することができます。

RSK にはトランスペアレントのペグがあり、全てのペグインおよびペグアウトのトランザクションはユーザーによって特定ならびに認証可能です。ペグに帰属するUTXOs の完全リストはプラットフォーム上で実行されるスマート・コントラクトから読み取ることができます。さらに、現行および過去のfederations のアドレスはこのコントラクトからアクセス可能です。ペグアウトのトランザクションは、ペグUTXOs を消費することから、特定されます。

 

RSK ペグインおよびペグアウトのトランザクションは完全に監査可能です

Liquid はホットおよびコールドのウォレットの組み合わせを用いてセキュリティを強化し、ペグアウトのトランザクション向けの待ち時間の縮減を図っていますが、この恩恵には代償が伴います。Bitcoin 側では、ペグインのトランザクションはHSMs によって制御されているマルチシグ・ホット・ウォレットに支払われています。結果としてのUTXOS は定期的にリサイクルされ、緊急時復旧スクリプトが有効化されるのを防ぎます。

Liquid の設計者たちは、最大のシステム・セキュリティのリスクがペグアウト・プロセスであるのを認識し、ペグアウトのトランザクションによってリリースされるbitcoins を、ユーザー・ウォレットに直接ではなく、エクスチェンジ・コールド・ウォレットに送られるべきと判断しました。Liquid では、一部の人員が仮想通貨取引所であることから、bitcoins はユーザーが登録すべきであるエクスチェンジ・コールド・ウォレットの1つに移されます。結果、取引所はトランザクションを検閲する最後の機会を得ることができます。取引所は資金をコールド・ウォレットにて受領後、自身のホット・ウォレットの資金にてユーザーに返金します。こうした2つの決済はアトミックではないため、a) HSMs が最初に取引所に支払う場合、取引所がユーザーに返金しない、または、b) 取引所が最初にユーザーに支払う場合、システムが誤作動し、取引所に償還しないというリスクが常に付随します。いずれにおいても、仲介機関として取引所を使用するという要件により、KYC がシステムの重要かつ不可欠の要素となっていて、人員が移転中のユーザーの資金の一時的な管理者、送金者、あるいはその両方であることが示唆されます。最後に、ユーザーにBTC を支払うトランザクションを実質的に覆い隠し、ユーザーの機密性を強化しますが、同時に、分散型ペグのトランスペアレンシーや検閲での検出がコミュニティによって妨げられます(ペグアウトのトランザクションがプライベートのウェブサイトliquid.horse でカウントされます)。さらに、Liquid UTXOs における時限錠の緊急時復旧スクリプトは、コールド資金を定期的に刷新し、コールド・ストレージの有効性を低減する時限錠を延期すべきことを意味します。

トランスペアレントのコールド・ウォレットがRSK ペグにとって相当に容易に実施可能であっても、この点では、人員の職務は最小限に維持されるべきだと当社は考えます。人員が通常の手順として実行する必要のある人的アクションは検閲可能性と政府および法人からの圧力を付加します。セキュリティの強化は、より多様なハードウェアとソフトウェアのコンポーネント群を持つ人員をいっそう追加することで成就可能です。

 

Liquid はマルチシグのホット・ウォレットでbtc を受領します(ペグイン)が、ペグアウト向けに人員のホット・ウォレットの1つから支払を行い、マルチシグからコールド・ウォレットへの償還を受領します。

 

ペグの検閲

双方向ペグは、federation のメンバーが大規模サブセットの後続ペグインやペグアウトのトランザクションのブロック等、顕著な悪影響を伴うことなく選択的にペグインもしくはペグアウトのトランザクションをブロックできない場合、絶対的なセンサーシップ抵抗を提供します。この特性は、人権制限を目的に権威主義の政府によって不正な検閲が用いられる恐れがあるため、不可欠です。公示なしに検閲が適用可能とすると、規制当局や政府は参加企業に対し、自主的に移転をブロックするよう圧力を掛け、強要する恐れがあります。

Liquid を含め、ほぼ全てのブロックチェーンにおいて、ペグの検閲をアトミック・スワップにて克服することができます。しかし、アトミック・スワップの取引相手方を効率的に見い出すには、トレーディング上の同業者や十分な流動性を備えた新興成長市場の新しくアクティブで分散化されたネットワークが不可欠です。そうしたシステムの創造には分散型ブロックチェーン構築と同じ数々の課題の解消に加え、プルーフ・オブ・ワーク(proof-of-work)なしにSybil 攻撃を防止するというさらなる困難の克服が伴います。従って、当社はサイドチェーンのコンセンサスと一体化している絶対的なセンサーシップ抵抗の重要性を強調します。

RSK ペグはペグイン向けにBitcoin のようなセンサーシップ抵抗、ペグアウトには絶対的なセンサーシップ抵抗を提供します。ペグインは検閲不能ですが、というのは、ユーザーはサイドチェーンに自身のBitcoin インクルージョン・プルーフを送信してRBTC リリースをサイドチェーンに命令することができるからです。ペグアウトのトランザクションはスマート・コントラクトによって選ばれるUTXOs を消費します。消費される一部のbitcoins はユーザーに支払われ、残りがfederation の本来の同じマルチ署名アドレスに返還されます。こうした返還されるbitcoins は以降のペグアウトのトランザクションにおいて再使用され、断ち切ることのできないチェーンを創造します。すなわち、最初のリリース・トランザクションをブロックする目的上、federation の人員もまた、最初のトランザクションにて創造されるアウトプットに依存する意向のリリースをブロックする必要があるのです。UTXO を支出するうえで、人員の51% の共謀が依然起こり得ます。ただし、こうしたことはユーザーによって瞬時に検出可能です。生来のネットワーク・アップグレードにおいて、RSK はペグアウトの完全に連続的なリンク化を実施してセンサーシップ抵抗の最大化を図ることが考えられます。また、federators の51% がスマート・コントラクトを順守しないものの、ペグアウトの命令の履行を図ろうという行為を防ぐべく、ペグアウトのプルーフ・オブ・インクリュージョン(proof of inclusion)が必要となる可能性があります。

 

RSK では、ペグアウトのトランザクションが検閲されると、続く多くのトランザクションがI/O リンキングを理由に、自動的にブロックされます。

Liquid では、人員が共謀して特定のペグアウトのトランザクションを検閲することが考えられ、ペグアウトのトランザクションのインプットUTXO が受領側当事者のためにKYC を提供する指定の人員によって選択されていることから、Liquid の個々のユーザーによって気付かれません。しかし、Liquid は極めて強力なプライバシー保証を実施することから、取引所が相互に検閲するのは困難であり、つまり、取引所は自身のソースLBTC アドレスを隠蔽し、ペグアウト向けに新しいBTC アドレスを利用することができるからです。Liquid は個々のユーザーではなく、取引所に合わせてカスタマイズされているため、Liquid は付加的なセンサーシップ抵抗を提供しません。個々のユーザーは通常の取引所アカウントと同レベルの検閲に晒されています。

 

Liquid では、ペグアウトのトランザクションが検閲される可能性があり、システムは通常通りに作動し続けます。

 

Federation メンバー資格の管理

Federation のメンバーの管理はRSK とLiquid の決定的な違いです。Liquid では、メンバーの除去にはネットワークの停止および人員によって実行されている特定のノードの主導による構成設定により、onion アドレス/ 残存ノードのパブリック・キーの参照が必要になります。手順が未発表のため、このことは仮定です。

RSK はオープンのプロトコルを組織化して公開審査に基づくメンバーの追加や除去を行うことができ、メッセージは全てサイドチェーンのトランザクション上でやり取りされます。プロセス全体は、ペグインやペグアウトのトランザクションの処理でなくとも、通常のトランザクションの処理を伴うことなく実行します。プロトコルは外部監査を可能とするよう遅延し、新規のfederation を前のと交換して終了し、資金は自動的に前のUTXOs から新規のUTXOs に移動されます。

古いFederation のマルチシグから新しいFederation のマルチシグへのRSK 資金移転は興味深いマルチステージ・プロセスです。新規のFederation が設置されると、新しいマルチシグ・アドレスが返還され、その際、フル・ノードがJSON-PRC エンドポイントを通じてノードによってクエリされます。 しかし、古いマルチシグ・アドレスはしばらくアクティブのままで、依然として未確認のトランザクションがブロックに包含されるだけの十分な時間が提供されます。以降、スマート・コントラクトは残りの資金の新たなマルチシグへのスイープを命令し、前のマルチシグが使用されなくなります。

 

RSK の会員資格の管理、監査可能な手順

プライバシー

Liquid の最も強固な特性の1つはLBTC およびissued-assets 双方の機密トランザクション(CT)のサポートです。Liquid は取引額を隠蔽することができますが、送信者と受信者のアドレスは非表示にはできません。こうしたアドレスは、Bitcoin でのような思いがけない結合を防ぐべく、注意を払って取り扱う必要があります。クライアント・ウォレットですが、トラフィック分析のように、サイドチャンネル経由の秘密情報の漏洩を防ぐ目的で十分に保護される必要があります。機密トランザクションは通常のトランザクションよりはるかに規模が大きいことから、Liquid がフルになる場合、機密トランザクション手数料が高くなると見込まれます。

RSK はサードパーティ開発のユーザーレベルのコントラクトの形式でプライベート・トランザクション用のほぼあらゆるスキームを提供することができます。既存の事例としてあげられるのは、ZetherMobiusAZTECです。 zCash のようなプロトコルをRSK に加えて使用することで考えられる最も広範な匿名セットを得ることすら可能です。

現状、こうしたユーザーレベルのソリューションは取引額と目的先のアドレスを隠しますが、ソース・アドレスはリンク可能なままです。ソース・アドレスの保護には(トランザクションを普及させるのにサードパーティに支払う)メタ・トランザクションのマーケットまたはRSK コンセンサスの修正のいずれかが必要です。RSK はアカウントの抽象化の改善に着手する予定で、結果、コントラクトはソース・アドレスなしに、外部のトランザクションから直接的にメッセージを受領できるようになり、送信者がTor を使用する場合、送信者を完全に匿名化できます。

暗号学の分野はかつてないほどの速度で進化を遂げており、非会話型の知識の議論への特定の関心があり、多くのコイン匿名化スキームの礎です。毎年、Bulletproofs、Sonic、Lelantus の開発など、新しく、よりスピーディで効果的なスキームが登場しています。さらに、Zexe やZkVM のように、プライバシーをスマート・コントラクト実行と統合するシステムにおける新たな進展が見られます。こうしたプライバシーのスキームにおける連続的な向上は特定の暗号化システムに依存しないプラットフォーム維持にあたってもっともな理由です。

コンセンサス・プロトコル

Liquid のコンセンサスは選択された人員のグループによって実行されるPBFT バリアントに準拠します。人員はラウンドロビン方式のスケジュールに従って交代で新規ブロックを生成し、2階の確認を経て、ブロック・トランザクションは決済されると見なされます。人員はTor オーバーレイ・ネットワークを通じて相互結合され、実際のチリ上のロケーションとIP を隠します。これはLiquid では必須の面白い特長ですが、RSK では任意に過ぎません。

RSK はSHA-256D マージ・マイニングを使用し、Bitcoin 同様、確率的トランザクション決済を提供します。現状、2019年1月時点、Bitcoin マイナーの30~50% がRSK マージ・マイニングに従事しています。

Liquid およびRSK 双方において、ブロック生成者はブロックに含まれるトランザクションから手数料を獲得します。Liquid では、マイナーは共謀し、他のマイナーのブロックを無視し、本来あるべき以上に頻繁にブロック生成者となってラウンドロビン方式のスケジュールの悪影響として、より高いトランザクション手数料を手にする可能性があります。しかし、このことは関与しなかった人員によって検出されることとなり、結果、このような攻撃を何度も秘密裏に実行するのは困難でしょう。RSK は手数料の平滑化とDECOR + リワード共有プロトコルによる共有マイニング・アカウントを使用してマイナー間の競争以上に協調にインセンティブを設けています。

Bitcoin への価値と機能性の付加にあたっての手段としてのマージ・マイニングのサイドチェーンはエクステンション・ブロック等の代替およびハードフォークと比較してブロックのサイズ増大を図るべきであり、極めて賛否の分かれることであり、マイナーはこれまで承認を促されてきました。Paul Sztorc はこれについて、「[ドライブチェーンの] 創造されたパワーが従来のより危険なパワーを無効にする」と述べています。同様のことはサイドチェーンにも当てはまります。最後に、マージ・マイニングは、ブロック生成が新規の参加者に開放されているため、federation の人員のみがトランザクション手数料を取得できるわけではないという恩恵を提供します。

Issued Assets

Liquid およびRSK はユーザー発行のアセットを創造する手段を提供します。RSK のアセットは、Ethereum にて一般的に用いられるERC-20 トークン標準を使って発行できます。Liquid はユーザー発行のアセットのネイティブ実行を提供します。

双方のプラットフォームにおいて、issued assets はユーザー間で自由に移転できます。ただし、Liquid のissued-assets はライト・クライアント適合ではなく、というのは、Liquid は各ブロックヘッダーに既存のUTXO セットまたはアセット発行セットについてのコミットメントを組み込んでいないからです。双方のサイドチェーンにおいて、参加者は誰でもアセットの発行、再発行および他のユーザーへの移転を行うことができます。しかし、RSK はアセットによって許可されているオペレーションに対してよりいっそうの制御を供与しますが、アセットの創造者も高レベルのプログラミング言語にてオペレーションを定義するためです。より高レベルのプログラムを用いて、RSK はセキュリティ・トークン、利子、デマレージ(減価費用)、大半のDeFi アイデアについての配当支給を支援することができます。

双方のサイドチェーンはRIF Lumino Payments(RSK の場合)やLiquid にポートされるLightning Network といった、二次レベルの決済ネットワークを支援可能です。Lumino は生来がマルチアセットですが、Lightning ネットワークがその現行バージョンにおいてマルチアセット・ノード、マルチアセット・リンク、マルチアセット・ルーティングを支援するとは私は思いません。

トランザクションのコスト

RSK は現時点では、Liquid の1/10 の価格です(シンプルな決済あたり0.0066 USD 対0.10)。このことは、部分的は、RSK トランザクションの規模がLiquid より5倍小さいという事実で説明されます。しかし、安価なトランザクションは両刃の剣であり、通常ユーザーを対象にブロックチェーンの規模が許容レベルを上回るほど成長し、ピア・ツー・ピアのネットワークを集中化することがあるからです。

Liquid の人員は毎月の手数料をBlockstream に支払ってLiquid Federation の一員になっています。RSK federation メンバーはそういった手数料を支払わないものの、メンバーであり続けるにはセキュリティ標準の順守および既定のアップタイムの維持が求められます。

今後の見通し

RSK 白書はRSK の不変性とセンサーシップ抵抗に関するロードマップおよびコミュニティ合意を規定しています。改善の提案は公に議論され、コア開発者たちによってリファレンス実装に融合されています。今後見込まれる特長の一部としてはUnitrie ストレージ・モデルへの切り替えとストレージ賃料システムの採用があります。 RSK レポジトリは2016年以来、継続的に改善を行っていて、ハードフォークを必要とするいくつかのネットワークのアップグレードが実施されました。

Blockstream ロードマップは未公開です。しかし、Liquid のgithub レポジトリは、Elements Projectと考えられ、2016年以来、持続的な改善を図ってきましたが、ハードフォーク面の変更はありませんでした。

RSK 白書の1つの重要な特徴というのは、Bitcoin がコミュニティ支援型のソフトフォークを採用できる状態にあればいつでも、Drivechain等のより分散型の双方向ペグ・システムに移行しようという意図を明示していることです。RSK Labs は、Bitcoin のコア開発者たちが将来利用できるように、Drivechain BIPおよびリファレンス実装を創造しています。

サマリ

RSK は金融包摂の礎となることを目指し、分散型金融(DeFi)に焦点を当てるサイドチェーンです。Liquid は取引所向けに共有の流動性資産の提供を目的とするサイドチェーン・プラットフォームです。そして、プロトコルの簡素性、セキュリティ、プライバシーに焦点を当てています。従って、RSK の意図というのはずっと広範な使用事例群を解決することで、Liquid は極めて効率的な存在であることに焦点を当てています。

ステートフルのVM を導入することで、RSK はさらなる開放性とプログラム可能性を提供し、他方、Liquid は任意のコード実行以上に簡潔な検証を優先します。

RSK のEthereum との互換性は容易なEthereum dApps やツールのRSK へのポートを可能にし、大規模なオープン・ソースのリソースへのアクセスが実現されます。Liquid は開発者たちに対し、Blockstream 独自のライブラリを用い、そのプライバシー特長の最大活用を要求しますが、現状、コミュニティ代替は存在しません。

双方のサイドチェーンは経験豊かな開発チームによって保守管理されています。Liquid はBlockstream 会社の後押しを受けていて、RSK は目的組織を対象に、IOV Labs のバックアップを受けています。

双方のサイドチェーンはそれぞれのfederation に参加する著名な取引所を持ち、サイドチェーンのトークン(RBTC およびLBTC)は現状、名高い取引所において取引されています。

当社はBitcoin の新たな未来の創造を目撃していますが、それは、Bitcoin のオンチェーンの能力による制約を受けず、Lightning Network、Liquid、RSK によって拡張されつつあります。

本記事のレビューおよび有益なフィードバックの提供にあたって、Dr. Adam Back に謝意を表します。

(*)原典:平均手数料の算出にあたっての原典:https://blockstream.info/liquid/

(**)原典:http://rskgasstation.info/

(*3) 平均のブロック・インターバルは、uncle ブロックの数が0にまで減ると、15秒に短縮します。